でも、家でお母さんが元気で明るく過ごしていなければ、家族に悪い影響が及びます。自分で何かできることはないかと模索していました。
50代、特に女性のみなさんはタンパク質を意識して食事をとっていらっしゃるでしょうか?
わたしの場合、診断するまで意識していませんでした。がっつりお肉を食べることも少なくなり、お野菜中心の食事になっていました。
しかも、イタリアなので豆腐や納豆などの大豆製品が手に入りにくいのです。
何千種類とあるチーズもやっぱり食べ慣れていないせいか体が欲しないし、牛乳やヨーグルトなどの乳製品もしかりです。
こんな調子だったので、タンパク質の摂取量は少なかったと思います。
そして「さあタンパク質を摂るぞ!」と意気込むものの、さて何をどれだけとった方がいいのかさっぱりわかりません。
ネットで調べてみると筋トレブームなのもありありとあらゆるタンパク質(プロテイン)に関する情報がでてきました。
50代の女性のために知りたいことが網羅された記事はなかなか見つかりませんでした。
そこで、この記事では40代後半~50代の女性向けに、
本記事の内容
- なぜタンパク質がそんなに大事なの?
- どれだけタンパク質をとったらいいの?
- どんな食品にどれだけのタンパク質が含まれているのか
を分かりやすく説明します。(全部、自分が知りたかったこと)
日常生活にタンパク質をムリなく取り入れることで、心と体の不調をなくし、さらに若さや健康を保ってイキイキした毎日を送っていきましょう。
なぜタンパク質がそんなに大事なの?
大きく3つです。
- 心身の不調の改善
- 食欲コントロール
- イキイキした老後のため
心身の不調の改善
まず分子栄養学の診断結果をみてください。
『タンパク質不足』が考えられます。タンパク質は肌や臓器、粘膜、体を調節するホルモンなど身体をつくるおおもとです。
タンパク質不足だと、胃腸の働きが弱まったり、消化酵素が作られず、せっかく食べた食事を消化吸収する力が弱くなり全体的な栄養不足に。
また、心や自律神経を安定させるホルモンが不足し、心や体に不調が現れやすくなると言われています。睡眠の質を高めるホルモンもタンパク質からできています。
ステーキがたくさん食べられなくなったのも消化酵素が作られず、胃腸の働きが弱まっていた可能性があります。
そして消化吸収する力が弱り、栄養不足になり体力の低下や疲れやすくなるという構図。
40代後半から一番困ったのは睡眠の質が悪いことでした。よく眠れないので昼間の生産性が落ちて、イライラ。
ただでさえ更年期でホルモンバランスも悪いのに、さらにホルモンを作るタンパク質が不足していればこういった「心や体の不調がでやすいのはある意味当然だった」と納得しました。
食欲コントロール
『科学者たちが語る食欲』によると 動物はある一定のタンパク質を摂取するまで食欲がわいて食べ続けるそうです。 それをタンパク質ターゲットと呼ぶそうです。
超加工食品を食べると太るのは、一般に考えられているように、そうした食品に含まれる脂肪と炭水化物に対する強い食欲が原因なのではない。私たちのタンパク質欲が、脂肪と炭水化物の接種を制御する能力よりも強いから、太りすぎてしまうのだ。
例えば ご飯や野菜の中にもたんぱく質が含まれているのですが、そこからタンパク質ターゲットを達成するまで食べ続けるとすごい量とカロリーになってしまいます。
逆に、適切な量のタンパク質を摂っていると余計な食欲がわかずカロリーを抑えることができ太りすぎを防ぐことができます。
イキイキした老後のため
長寿の双子、きんさんぎんさんをご存知でしょうか?
そういえば、銀さんの4人の娘さんたちの日常が描かれた番組を見たのを思い出しました。
調べたらたぶんこちらのNHKの番組だったと思います。4人姉妹、平均年齢90歳オーバーでも元気はつらつ、会話も弾んでいました。
驚いたのが4人姉妹のおばあちゃんたちがおさしみや肉をモリモリ食べていたシーンです。
こちらの健康長寿ネットの長生きしている高齢者は何を食べているかの記事では「長生きをしている高齢者は、肉や魚などの動物性タンパク質をたくさん食べている」と述べています。
体が出来上がった人でも、タンパク質全体のうちの約3%のタンパク質(体重70kgの男性の場合約250gから300gのタンパク質)が、代謝されて毎日入れ替わっています。そのため、成長期の子どもだけではなく、成長が終わった成人や高齢者も毎日タンパク質を摂取しなければ、体を維持することが出来ません。
40代後半~50代の更年期を乗り越え、元気でイキイキした老後のためにタンパク質を意識して摂る必要があるのですね。
【50代のタンパク質】何をどれだけとったらよいのか?
タンパク質が大切なのは分かりました。
どれだけタンパク質を摂ったらよいのでしょうか?
厚生労働省の食事摂取基準
日本人の食事摂取基準の1つの目安とされてきた食事摂取基準が、2020年版として新しく改訂されました。
この改訂では、推定エネルギー必要量などの変更に加えて50歳からのタンパク質の目標量が引き上げられました。厚生労働省も中高年のタンパク質摂取に注目したということです。
この表によると50~64歳の男性の推奨量は65g、女性は50g。
ただし、注釈にも書いてある通り個人によって身長体重が異なりますし、日中のエネルギー消費量も異なります。
ちなみに、50~64歳の女性の参照体位は155.8㎝、53.8㎏でした。
運動時のタンパク質摂取量
さらに、運動をどれだけしているかによってタンパク質摂取量を増やした方がよいそうです。
食事摂取基準では50代女性は50g、日中の活動量次第でタンパク質量を追加すればいいのですね。
例えばわたしの場合は「スポーツ愛好者(週に4~5回30分のトレーニング(1.1)」か、「筋力トレーニング(維持期)(1.2~1.4)」が当てはまります。
『科学者たちが語る食欲』によるタンパク質ターゲット
管理栄養士の先生から「体重×2でもよいくらい」とアドバイスいただきました。ということはざくっと100gです。これは肉や魚そのものの重さではなく、食品に含まれるたんぱく質の量なので食品の量にするとかなりの量です。
しかし、後日『科学者たちが語る食欲』を読んで 100gは取りすぎなのではと感じ本書を参照してタンパク質ターゲットを計算しなおしました。
1.年齢、性別、活動量をもとに、一日のエネルギーの必要量を推定する。「ハリス・ベネディクト法」と呼ばれる式を使って計算。
2.カロリーに次の係数をかける
- 子ども、青少年:0.15
- 若年成人(18~30歳):0.18
- 妊婦、授乳婦:0.20
- 成熟した成人(30代):0.17
- 中年(40~65歳):0.15
- 老年(65歳超):0.20
3.算出した値を4で割り一日に接種すべきタンパク質のグラム数を算出する。
こちらのサイトで年齢、身長、体重などを入力すると基礎代謝量がでてきます。
そして下の方に行くと「活動消費カロリー」がありますのでこの数値を使います。わたしの場合は約1705kcal、中年の指数をかけて4で割ると、
わたしのタンパク質ターゲットは64gとなりました。
日本ではハリス・ベネディクト法はなじみがないですね。別方法で推定エネルギー必要量が導き出せます。
先ほどの食事摂取基準によると50代女性の身体活動レベルが2の場合、体重1kg当たりの推定エネルギー必要量は36.2kcal。ご自分の体重をかけると一日の推定エネルギーが導き出せます。わたしの場合は1810kcalになりました。
だいたい、いい線いってます。
タンパク質を摂りすぎるのもよくないと思った理由は、『科学者たちが語る食欲』の実験で高タンパク質/低炭水化物の動物は早死したというエビデンスがあるからです。(ブログ作成中)
ということで、最終結論
どんな食品にどれだけのタンパク質が含まれているのか
どんな食品にどれだけのタンパク質が含まれているのでしょうか?
こちらのサイトでタンパク質が多い食品が詳しく肉、魚、豆、乳類別に列挙されているので参考にしました。
ここで疑問に思ったのがタンパク質に集中するばかりにカロリーのとりすぎにならないか?ということ。
そもそも朝食を抜いたりして少食だったので、急に頑張って食べ始めたら体重が増えました。
そこで下の表を参考にざっくり食品別の摂取量とカロリーを目安にしました。
さらに、自分の好みや生活習慣に合わせて調整します。
わたしの場合は、豆類が入手しにくいのと乳類(ミルク、チーズ、ヨーグルト等)は苦手なのでこのようにアレンジしました。
食品名 | 重量 | タンパク質(g) | kcal |
ご飯1膳*1 | 160gX2 | 8 | 540kcal |
オートミール | 40g | 5.5 | 150kcal |
卵 | 1個 60g | 7.7 | 91kcal |
牛ひれ | 100g | 19.1 | 223kcal |
さけ | 100g | 28.5 | 177kcal |
ヨーグルト 全脂無糖 | 100g | 3.6 | 62kcal |
合計 | 73 | 1250kcal |
*1 ご飯一膳x2をパスタ(乾燥)80gX2に置き換えるとタンパク質は20g、エネルギーは600kcal。食品成分データベースで検索してタンパク質量とカロリーを確認
この時点でだいたいタンパク質量は70g。
この表に載っていない野菜や果物、油脂を残りの450~550kcalでとればいいことになります。
毎日の記録&プロテイン
こんな感じで自分にあった組み合わせや量を考え、目安として覚えておき、日々この目安にそってタンパク質が取れているか確認をします。
ただ、魚や肉、乳製品だけでなく穀物や野菜にもタンパク質が含まれているので、勘がつかめるようになるまでMyFitnessPalというアプリを使うことにしました。
食事管理アプリ
このアプリも細かく入力しようとすればどれだけでもできますが、時間との兼ね合いで「大幅に少なかったり多かったりしないようにする」くらいの感覚で。
だんだんデータがたまってくれば過去の記録を利用することもできるようになり、入力の手間は減ってきます。
もう一つ、わたしは試したことがないのですがお友達があすけんを使っています。
プロテイン
1日タンパク質量70gをすべて食品で摂ることは可能です。
日本なら納豆や豆腐、おからなど使いたいところです。
ただ、朝食も抜きがちだったところからいきなり食事量を増やすのは大変でした。
家族もいるので自分の都合だけで決めることができない場合もあります。
できるだけ普通の食材からタンパク質を摂取するようにして足りない部分はプロテインで補えばいい、と思うと気持ち的にも楽ですね。
わたしの今まで試したプロテインは以下の2つです。
コスパ最高!初めて注文して家に届いたときはその大きさに家族全員驚きました(笑)
わたしはこちらの↓味の方が好きです。甘みが控えめ。
注意事項
こうしてわたしたちの体に必要不可欠なタンパク質なのですが、一人一人の体調や病歴によっては注意が必要な場合があります。
管理栄養士の先生からの注意事項です。
腎臓、肝臓が悪い方はタンパク質をうまく代謝させられないので 過剰症に注意する必要があります
また、いくらたくさんタンパク質を摂取しても、吸収されてアミノ酸に変えられ使われないと意味がありません。 未消化タンパクは胃腸環境を乱す事が報告されています。 なので、タンパク質をたくさんとって、なんかお腹の調子が悪い?おなら、便が臭い?という場合は少し量を減らすか、徐々に量を増やしていく方法をおすすめしています。
持病がある方はお医者様に聞いてくださいね。
また、何か新しいことを試し始める時は自分の体の変化を注意深く観察することが大事ですね。
まとめ
タンパク質は
-
- 心と体の健康のため
- 食欲コントロール
- 元気でイキイキしたおばあちゃんになるため
に必要。
必要摂取量
政府の食事摂取基準では50~64歳の女性は50g。
(参照体位:参照体位は155.8㎝、53.8㎏)
または、推定エネルギー必要量から以下の式に当てはめて計算する。
推定エネルギー必要量(kcal) X 年代別指数 ÷ 4 = タンパク質ターゲット
どんな食材をとればいいか
基本は、肉・魚・卵・乳製品・豆類
自分の食生活に合わせた組み合わせと分量をざくっと把握
MyFitnessPalなどの食事管理アプリを使うと食品の量とタンパク質の量の勘がつかめるようになる
参考
No24. タンパク質の不足を判断する採血データ「尿素窒素」について
No23. タンパク質を壊すタンパク質とは?【初心者でも分かる!分子栄養学ミニ講座】