こんな質問に答えます。
語学学習ははっきりいって地味な作業が続きます。
ただ漠然と「話せたらいいな」や「英語を上達させる」という目標では、モチベーションが続かず結局途中でやめてしまう、ということになりかねません。
そして現在、イタリアに住んでいます。今までイタリア語の習得に本腰を入れてこなかった結果、ブロークンなイタリア語しか話せません。
いよいよおしりに火がついて、英語を猛勉強した時の経験やノウハウをもとに、イタリア語をモノにするぞ!と決心しました。
今回は、イタリア語を習得するためにわたしの目標設定の実例をあげながら、英語学習の目標を立てるコツを説明します。
本記事の内容
- まず英語を使って何がしたいのか考えよう
- 英語習得のための倒れない目標の立て方
- 挫折しない習慣化のコツ2つ
まず英語を使って何がしたいのかを考えよう
いきなり、TOEICで〇〇点とる、などの目標を設定する前に、目的、つまり「英語を使って何がしたいのか」を考えます。
ちなみに目的とは成し遂げようとする事柄で、目標は目的を実現するために設定されるものです。
わたしが常々思っているのは、英語は学校で学ぶ単なる一教科ではなく、コミュニケーションのツールということ。
ある日、小学生の男の子が日本の観光地のお寺を外国人に、ボランティアで通訳して案内しているのをテレビでみました。とてもイキイキしていて、堂々としていて感心しました。
この男の子の英語を学ぶ目的は「外国人に地元の歴史的建造物や庭を英語で説明して案内する」ことです。
仕事でメインランドの中国人と話す機会がありました。彼らは仕事で英語を使うまで「全く外国に行ったこともないし、外国人と話したこともなかった」ということでしたが、英語を流ちょうに話していました。彼らの目的はもちろん「英語を話すことで、よい職に就き高い収入を得る」ことです。
わたしの場合、
- 英語を猛勉強していたときの目的は「ただ外国人と雑談できるレベルの英語をキャリアとして使える英語にする」でした。それまで遊学程度でアメリカに下手に長くいたので、学歴も資格もない、もうすぐ30歳、ちょっと得意な英語をなんとかするしかない状況、崖っぷちでした。
- イタリア語をやり直す目的は「日常生活でだれにも頼らずに、自分で様々なタスクを処理できるだけのイタリア語を身に着ける」です。それには病院や銀行、税務処理などややこしいことも含みます。
こうやってみるとどちらもネガティブな状況を回避するための語学習得です。お尻に火がつかないと動かないタイプです。よく言うと別にやりたいことがいっぱいあったということです。
英語の習得には3000時間~5000時間必要と言われています。中学~大学まで英語を約1000時間とすると残りの2000~4000時間の勉強をしないといけないことになるのです。
本当にこの時間をかけて英語を習得したいですか?
Yesの場合、英語を習得にしたい目的は何でしょうか?
英語習得のための倒れない目標の立て方
目的が決まったら、その目的を実現するための目標を設定しましょう。
ここでは、SMARTフレームワークとDaiGoさんの「倒れない計画術」を参考に目標設定します。
というのも、わたしはSMARTフレームワークを使って目標設定をし、イタリア語の勉強をしていたのですが、途中でモチベーションが途切れてしまったのです。
1か月ほどやる気のない日々が続き、もんもんとしているときにDaiGoさんの本を読み、自分のやり方を見直しました。
SMARTフレームワークを使った目標設定
SMARTフレームワークとは、以下の5つの基準で構成されています。
- Specific:目標が具体的か
- Measurable:達成度を測れる目標か
- Achievable:達成可能な目標か
- Relevant:目標の達成が自分の利益につながるか
- Time-bound:期限が設定されている目標か
わたしは、
という目標を立てました。
CILSというイタリア語検定テストの合格不合格は測定可能ですし、少し頑張れば達成可能と思っています。また、イタリア語を習得することは自分の生活に関連しており、2026年と期限を設定しています。
こんな目標を立てて、当初はやる気だけでイタリア語の勉強をしていました。この7月から教材として使っていたNHKのラジオ講座が簡単になってしまい、モチベーションを失いました。
目標は立てたけれど具体的な行動計画まで落とし込めていなかったのです。DaiGoさんの倒れない計画術を読み、目標を再検討しました。
倒れない計画術
本書では最初に計画するべきなのは「挫折・失敗・さぼり」だとしています。あらかじめ想定して、計画に組み込むことで目標の達成率が2倍以上になる、ということです。
確かにSMARTフレームワークでは、挫折や失敗、さぼりは考慮にいれていませんでした。
以下の5つのステップを行う際のポイントは「~だろうか?」と疑問形で問いかけること。
なぜなら、疑問形で考えることによって具体的な思考に結びつくからとDaiGoさんはおっしゃっています。
5つのステップ
- 目標設定
- 現実化
- 挫折と対策
- 進歩の記録
- 定期的な修正
ステップ①:目標設定
どういう目標を立てたいか?何をしたいんだろうか?と自分に問いかけます。そこでポイントは、
ポイント
- できるだけポジティブに、自分はどんなことでもできると思って目標を立てる
- 少し無理かもしれないけれど頑張ればなんとかできそうな目標を立てる
ミラノ・コルティナオリンピックで日伊ボランティア通訳する目標は、今の自分では考えられないですが、6年後なので時間を味方にして、頑張ればできると思っています。
ステップ②:現実化
目標にひたすら疑問を投げかけます。このステップには10分~30分かけてこれ以上疑問が出てこないというところまで出します。
「ミラノ・コルティナオリンピックで日伊通訳ボランティアできるだろうか?」
「通訳できるとしたら、どうすればできるだろうか?」
「具体的には自分は通訳するために何をすればいいのだろうか?」
「オリンピックで求められる通訳レベルはどの程度だろうか?」
「語学学校へ通ったらどうだろうか?」
「オンラインでの勉強はどうだろうか?」
「公的機関の語学学校はないのだろうか?」
「CILS検定試験の詳細はどこで得られるのだろうか?」
「CILSの最高レベルが受かれば、イタリア語を自由自裁に使いこなせるようになるのだろうか?」
「自分の今の実力はどのくらいなのだろうか?」
「過去問などはあるのだろうか?」
「どんな教材があるだろうか?」
「オリンピックがなくなったらどうなるだろうか?」
「試験に受からなかったらどうなるのだろうか?」
などなど。
「~できるだどうか?」と考え抜くと、具体的な手法が生まれるので現実化していく方法はうまくいく、ということですが、確かに「~だろうか」と考えるとどんどんアイデアが湧いてきました。
ステップ③:挫折と対策
挫折や失敗に対して、少なくとも3つの対策法を考える。
「試験に受からなかったらどうなるだろうか?」で考えます。
最初は独学でやろうと思っていますが、それでも受からない場合、語学学校、オンライン授業、試験合格者の成功体験を聞くなどが考えられます。
イタリア語を勉強する時間がない場合はどうするか?
イタリアに住んでいるので、生活のありとあらゆる場面を勉強の場とする、より集中して聴く、公的文書等訳してみる、隙間時間を使うなどが考えられます。
今思うとなんで今までやっていなかったのでしょうか?
挫折は失敗に対する対策を考えた時の方が、人間は具体的な行動に結びつきやすくなります。モチベーションが下がったりやる気が出ないという時にも、、、そのための対策としても使うことができます。
ステップ④:進歩の記録
モチベーションが保てない理由の最大の原因は、自分がどのくらい成長したり向上しているかがわからないことです。
語学は一朝一夕には結果がでないもの、でも日々努力しないと結果も出ない。成功報酬が得られにくくやる気がなくなってしまいます。筋トレと同じですね。
実際に通訳者を目指して猛勉強中には、 TOEIC を受けていました。TOEIC は合格不合格ではなくスコアで成績が出るのでどのぐらい英語力がついたかが、わかりやすいのです。
こちらのおすすめの英語資格一覧で11種の英語資格が紹介されています。
子ども用の試験もこちらの子どのの英語力テスト・試験一覧で11種の試験が紹介されています。
同じようにできるだけスコア判定されるものをお勧めします。
ステップ⑤:定期的な修正
ポジティブシンキングの人や前向きな人が意外と目標を達成できなかったり、完璧主義の人もかえって失敗しやすい、という話は興味深いですね。
ポジティブシンキングの人は自分の失敗から学ぼうとしないことが問題... 完璧主義の人は問題が起きてしまった時に目標を頑なに守り、過去のやり方に固執して、計画通りにいかないと投げ出してしまったりと計画倒れが起きるわけです。
確かに私は後者の完璧主義者で、達成不可能な計画を立てたうえに、予定通りにいかないとそれが嫌でやめてしまうという経験をしたことがあります。
「日常生活でだれにも頼らずに、自分で様々なタスクを処理できるだけのイタリア語を身に着ける」という目的を達成するための道はいっぱいあります。あれこれやりながらベターを探り、絞ってたどり着く、といった試行錯誤を繰り返していけばよい、と考えると柔軟に対応できそうです。
例えば、2020年のコロナのようなことが起きて、オリンピックが延期になったり、中止になったりするかもしれません。その時は他の目標を立てるか、「CILSに合格すればよし」としてもいいなと考えられました。
達成率2倍の習慣化のコツ2つ
さてここまで目的を考え、目標を決め、計画も立てました。どうやって習慣化したらよいのでしょうか?
コツ①:ゲーミフィケーション
習慣化でよく言われているのが、「なんらかの報酬があると習慣化されやすい」ということです。語学学習の場合どうやったら報酬が得られるのでしょうか?
試験を受けて点数が上がったり合格したりすれば報酬になります。しかし、日々の短期報酬もモチベーションを保つためには必要です。
ディクテーションをして間違いの数を前回よりも少なくするなどゲーム感覚でやることができます。
みんチャレというソフトでは同じ目標を持つ5人組が毎日成果を共有して励まし合います。
Twitter に「今日の積み上げ」を宣言して結果報告する人もいます。
こんな感じで考えてみてください。
コツ②:スタンフォード流目標達成のための4つの方法
うまくいく状況を知り、「○○したら○○しよう」というようにトリガーを設定し習慣化する方法があります。スタンフォード流新年の目標を達成するための四つの方法では、
- うまくいく方法をみつけ
- 目標を一つに絞り
- 目標を習慣に変え
- 行動の引き金を作る
と、紹介しています。
今のところわたしは、毎朝、筋トレをしたらイタリア語の勉強をする方法がうまくいっています。朝の頭がすっきりしている時間にやらないと集中できないことがわかりました。
行動の引き金とはトリガーとも呼ばれ、2倍も達成率が上がったそうです。
まとめ
目的を決め、
目的を達成するため、SMARTフレームワークと倒れない計画術で目標を立て、
ゲーミフィケーションとトリガーで習慣化する。
英語学習を漠然と進めるよりも、進む方向ややり方、習慣化の方法が明確になってやる気もわいてきたでしょうか?
わたしと一緒に語学の勉強をしてみませんか?