そもそもミッション・ステートメントのミッションって何ですか?
常に変わらないところにあって揺るがないもの、わたしが目指すところ、コンパスの役割を果たしてくれるものといった感じです。
具体的にミッション・ステートメントを書こうと思っても、どうやって書いたらいいのか迷っています。
ひな形みたいのはありますか?
あなたのミッションはあなたの中にあって独自のもの、自分で発見するものなんですよね。
こんな質問にお答えします。
この記事では
ポイント
7つの習慣でいうミッションとは何か
ミッション・ステートメントがあるとモヤモヤが消えるわけ
ひな形はない、ミッションは自分の中にすでに存在する
ミッション・ステートメント作成のヒント
をお話しします。
7つの習慣を読んでミッション・ステートメントを書こうと思うけれど、どこから手を付けていいのかわからない方のヒントになればうれしいです。
7つの習慣でいうミッションとは何か?
ミッションは日本語では使命と訳されます。これを辞書で調べると「責任をもって果たさなければならない任務」という意味がでてきますが、もっともっと深いものです。
わたしは、常に変わらないところにあって、揺るがないもの、わたしが目指すところ、コンパスの役割を果たしてくれるものとして、「北極星」と表現しています。
7つの習慣の中では、「人生におけるすべての行動を計る尺度、基準」や「本当に大切なこと」、「明確な目的地」、「はっきりしたビジョン」、「コンパス」、「正しい原則を土台とした個人の成文憲法」などと言い換えられています。
家を建てる例が分かりやすかったのでご紹介しますね。
ミッション・ステートメントを書くことは、家を建てる際の設計図を作ること(知的創造)、実際に家を建てるのはミッション・ステートメントに従って行動すること(物的創造)です。
設計図がしっかりできていなければ、やり直しすることになり、時間がかかってしまったり、お金がかかってしまったり、なんとなく期待していたのとは違う家が出来上がったりするかもしれません。
片付けパパ®の大村さんが使命についてこうおっしゃっていました。
使命ってどうやって書きます?「命」を「使う」です。ご自分の命をどう使いたいですか?
それが、使命、ミッションです。
ミッション・ステートメントがあるとモヤモヤが消えるわけ
7つの習慣では、ミッション・ステートメントがない人生は
自分の人生の行方を、影響の輪の外にある状況や他の人たちに委ねてしまうことになる。家族や同僚から押し付けられる脚本どおりに生き、他者の思惑に従い、幼い頃に教え込まれた価値観、あるいは訓練や条件付けによってできあがった脚本を演じるという、周りのプレッシャーに反応するだけの生き方になる。
一方、ミッション・ステートメントがあれば、
変化に適応しながら生活ができる。偏見を持たずに現実を直視できる。周りの人々や出来事を型にはめずに、現実をありのままに受け止めることができるようになる。
下の図を見てください。わたしの大好きな本、ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣からの抜粋です。
日々数多くの決定をしている中で、分かれ道で生産的で健康的な選択をできるかどうかが良い日になるかを決めています。その少しでも良い日の積み重ねが良い人生になるのでしょう。
ミッション・ステートメントがあると、その方に向かった選択ができるのです。
もうひとつ、こちらは逆算手帳の習慣からの抜粋です。
1日に2つの選択肢から1つ選択する」と、1日に2分の1、2日では4分の1、3日では8分の1……、なんと1 ヶ月では10 億 分の1を超える。つまり、1ヶ月で10 億パターンの生き方があるということ。ところが実際の暮らしでは「1日に2つの選択肢からひとつ選択する」どころではあり ませ ん。朝目が覚めてすぐに起きるか、ぐずぐずと二度寝するか。朝食を食べるかどうか、何 を食べるか。何を着ていくか。信号が変わりそうなときに走るのかつぎの青信号まで待つのか。メールにすぐ返事をするのか後にするのか。もう、考えたらキリがありませんね。わずか一日ですら、何億もの未来の中からひとつの未来を「 自分で」選んでいるんです。未来を自分で決めるとは、こういうことです。
コボリ ジュンコ. 逆算手帳の習慣――ふわふわした夢を現実に変える
何億もの未来のうちのひとつが、ミッション・ステートメントに書いたことになるように日々の選択をしていけばよいのですから、迷わない、モヤモヤがなくなるというわけです。
ひな形はない、ミッションは自分の中にすでに存在する
ミッションがわかったところで、さあ、ミッション・ステートメントをどうやって書けばいいのでしょうか?
わたしも当初、本の中に書かれているミッション・ステートメントを参考にして書こうと思いましたが、何か違います。
しっくりこないのです。
オーストリアの精神科医で心理学者のヴィクトール・フランクルは、「使命はつくるものではなく、発見するもの」と言っています。
私たち一人ひとりの心の中にその人独自のミッションはもうある、と。
人生におけるミッション(使命)というものは、
つくるものではなく発見するものである。
すべての人は、人生における独自の類まれなる力と使命を持っている。
その点において、人は誰でもかけがえのない存在であるし、
代わりの人が自分の人生を繰り返すことはできない。
したがって、すべての人の使命、そしてその使命を果たす機会は、
一人ひとり独自のものなのである
一人ひとりが独自のもので、かけがえがなく、その使命を発揮する場所は人それぞれ。まさに多様性ですね。
さらにビクトール・フランクルは
究極的に、我々が人生の意味を問うのではなくて、
我々自身が人生に問われているのだと理解すべきである。
一言でいえば、すべての人は人生に問われている。
自分の人生に答えることで答えを見出し、
人生の責任を引き受けることで責任を果たすことしかできない。
どうみてもミッション・ステートメントはサッと書き上げるものではないですね。
「深く内省し、綿密に分析し、表現を吟味しなさい」とコヴィー博士は言います。
自分の内面の奥底にある価値観と方向性を簡潔に、かつ余すところなく書き上げ、心から納得できるまでには、数週間、ことによれば数か月かかるかもしれない。
わたしは、これを読んで安心し、じっくり時間をかけてミッション・ステートメントを考えました。
結局、1か月半かかりました。
ミッション・ステートメント作成のヒント
7つの習慣の「第2の習慣:終わりを思い描くことから始める」の章の最後にある「実践編」の順に考えるのがよいと思います。
ここではエッセンスとわたしがやったことをご参考にご紹介します。
右脳を働かせて自分の葬儀を思い描く
自分の葬儀を想像したり、夫婦であれば25回目や50回目の結婚記念日を想像したりと、右脳を働かせて想像します。
死を連想させるので、よい気持ちがしない方もいらっしゃるかもしれませんが、どうやって自分の命を使いたいのかを考えるには欠かせないステップだと思います。
私に関わっている人たちがどんな弔辞を言ってくれるのか想像してこんなふうに仕上がりました。
「楽しいとき苦しいとき、共に考え助け合ってくれたね。君との毎日は安らぎに満ちとても豊かだった。君はよき理解者であり、助言者だった。君のおかげで家に帰るのが楽しみだったよ。君と出会ったこと、結婚したこと、家族を持てたこと。君と一緒に暮らせたことに感謝する。Grazie、Grazie、Grazie」
「マンマ、まず産んでくれてありがとう。マンマは惜しみない無条件の愛をぼくに注いでくれました。忍耐強くぼくを見守り、いろいろな考えを話し、いろいろな体験をさせてくれました。ぼくが興味を持ったことは全力で応援してくれ、そして、失敗した時は「失敗は性向のもの」といつも励まし、ぼくの安全基地になってくれたマンマ。だからぼくは安心して外に飛び出せたよ。ありがとう、ありがとう、ありがとう。」
「あなたとたわいもないおしゃべりをしながらお散歩したこと、とても貴重な時間でした。2人で家族のことや仕事のこと、政治のこと、経済のこと、宗教のこと、死生観のこと、日本とイタリアの違いについてあれこれ話ましたね。あなたの常に学ぶ姿勢にはいつも敬服していました。そこからくる均衡のとれた意見は尊敬に値するものでした。自我を通すのではなく、いつも皆の成功を考えていましたね。誰に対しても広く大きな心で、共感し、公平に接した。わたしが必要な時はすぐに手を差し伸べてくれた。最高の親友。Grazie、Grazie、Grazie」
日常から完全に離れる時間をつくり、書いてみる
自分の内面を深く見つめるには、日常から完全に離れる時間が必要ですね。
本の中でコービィー博士が「自転車で海岸に行き、一人で砂浜に座って、手帳を取り出し、(ミッション・ステートメントを)書き直してみた」と言っていました。
これに倣ってわたしは、森の中を愛犬と歩きながら考えました。上の写真は実際に歩いた森です。
こうやって一人の時間を取れることに感謝の気持ちでいっぱいでした。
役割と目標を特定する
人生の様々な役割です。例えば、妻として、母として、友人として、社会人として、自分自身など。
7つの習慣ではこの役割を考えることで、人生のバランスを重視しているところが秀逸です。
仕事に打ち込みすぎて健康を害してしまったり、成功やお金を追い求めすぎて、大事な人間関係を台無しにしてしまうといったケースは多々あります。
わたし自身も自分の仕事、家族と自分自身の学びのバランスをどうとるのかモヤモヤしていました。
自分の人生での大切な役割を念頭に置いてミッションを書くと、生活にバランスと調和が生まれる。
~7つの習慣
こうして出来上がった、わたしのミッション・ステートメントです。
私は、私たち(私、家族、社会)の成功が私の成功であると認識し、私の木になった果実を惜しみなく家族に、友人に、社会に提供する。
配偶者として、楽しいとき苦しいときも共に歩み、よき理解者よき助言者になり、尊重しあい、信頼され信頼する。
家庭では、共感し、家族の心身の健康を確保し、整理されて秩序ある環境を整える。
母として、無条件の愛を注ぎ心理的安全な場所になり、息子がWholeheartedな人(偽りのない心からの生き方をする人)になる。
個人として、自分の反応をいかなる時も選択する。日々感謝し、健やかで機嫌よくし、変化と成長を楽しみ、価値ある知識を学び発信し、シンプルで整理されて秩序ある生活を送る。
参考にした書籍
自分はこんなタイプだ(ろう)くらいにしか、自分のことを考えたことがなかったので最初はミッション・ステートメント、どこから手を付けていいのか本当に戸惑いました。
Insight(インサイト)を読んでまず自己認識から始めました。
DaiGoさんの【神回確定】自分を知る6つの質問と価値観リスト~ニューメキシコ大学研究からで紹介されていた80の価値観リストをやってみました。
- わたしが最も大切にする価値観は?
- 次世代に伝えたい価値観は?
などと問いながら最終的に10個に絞り、優先順位を付けます。
その過程で、こんなマインドマップも作ってみました。(来年は振り返りながら清書します)
最終目標は【Happiness】【Joy】喜びに満ちた快適な生活
具体的には「100歳まで遊ぶように働く女性」になりたい。
イメージは日野原重明先生やターシャ・チューダーさん。
武田鉄矢さんや毒蝮三太夫さんも素敵です。とにかく元気で頑張っていらっしゃる、勇気を与えてくださる人達です。
5本柱:
【Well-being】わたしたちの健康:心【Mindfulness】と体【Physical strength】
【Simplicity】シンプルで反脆く:生活、行動、考え方に至るまでシンプルに反脆く
【Love】愛を与える:自分に、家族に【Family】、友人に、社会に
【Growth】変化と成長を楽しむ、価値ある知識を学ぶ
【Contribution】貢献:世界(わたしの周り)の役に立つ
まとめ
ミッション・ステートメントを書きあげたのち、意識していなくてもそのように行動していた時があり、驚きました。
また、何か決断する時、ミッション・ステートメントに沿って決定するのでモヤモヤがなくなります。
「自分がどうありたいのか」がはっきりしたので、勇気をもって自分の思いを伝えられるようになります。
とにかく、日常から完全に離れる時間をつくって、独り、深く考えるプロセスそのものが極上の時間でした。
ご自分の好きな場所、落ち着ける場所を選んで、ミッション・ステートメント作り楽しんでください。