ちまたでは1万歩、1万歩と言われていますが本当に1万歩でよいのでしょうか?
一日の適切な運動量も一緒に調べてみました。
結論
一日の歩数に関しては諸説ある、以上。
それじゃ話が終わっちゃうので、ウォーキングのような有酸素運動と、他の運動もからめて調べた内容をまとめます。
厚生労働省の1万歩の根拠
厚生労働省の身体活動・運動のページでは1万歩を確保することが理想と書かれていました。
身体活動量と死亡率などとの関連をみた疫学的研究の結果6)からは、「1日1万歩」の歩数を確保することが理想と考えられる(注)。
(注)1日1万歩の根拠
海外の文献から週当たり2000kcal(1日当たり約300kcal)以上のエネルギー消費に相当する身体活動が推奨されている6)。歩行時のエネルギー消費量を求めるためのアメリカスポーツ医学協会が提示する式を用いて、体重60kgの者が、時速4km(分速70m)、歩幅70cm、で10分歩く(700m、1000歩)場合を計算すると、消費エネルギーは30kcalとなる。つまり1日当たり300kcalのエネルギー消費は、1万歩に相当する。
根拠として体重60㎏の人が300kcalの消費しようとすると1万歩ということなのですね。
気になるのは年代が考慮されていない点です。
1日どれくらい歩けばいい? 年代別「寝たきりにならない目標歩数
1日どれくらい歩けばいい? 年代別「寝たきりにならない目標歩数」の記事では年代別の歩数がこんな感じで推奨されています。
Forget 10,000 steps-here's how much you should actually walk per day, according to science
逆に1万歩を歩いても病気予防という観点では意味がないとする意見です。
こちらの記事では1日1万歩は企業のマーケティング戦略で設定された数字で実際は7000歩~8000歩が健康に良いことが研究の結果明らかになったそうです。
1960年代に山佐時計計器株式会社が歩数を計ることができる機器を発明し、それを万歩計と名付けたことから10000歩がきりがよく覚えやすい数字だったので1日1万歩の説が受け入れられていったということでした。
取り上げられている研究は平均72歳の女性16,741人を対象に7年間追跡調査したものです。
結果、2700歩を歩く人よりも4400歩を歩く人の方が死亡率は大きく低下し、4400歩以降7500歩まで段階的に死亡率は減少したそうです。7500歩以上は顕著な改善は見られなかったということでした。
以下の記事も読んだのですが1万歩に疑問を投げかけている記事はこちらの研究が根拠になっていました。
Is 10,000 daily steps really the magic number for better health?
10,000 steps not a magic number for fitness
How many steps a day do we really walk?
年齢がキーポイントですね。
「やってはいけないウォーキング」の青柳博士
『やってはいけないウォーキング』や『なぜ、健康な人は「運動」をしないのか?』の青柳博士は、歩けば歩くほど健康になるという神話に警鐘をならしています。ダラダラ長く歩いても効果がないとか。
一日13000歩あるく旅館の女将さんは骨粗しょう症になってしまったそうです。このことから中強度の運動の重要性を説いています。
青柳博士が群馬県中之条町で65歳以上の高齢者5000人を15年以上にわたり24時間365日の身体活動を調査を行った結果導き出した「健康のために1日に必要な運動量」は、
この調査も対象年齢が65歳以上です。
青柳博士は一生付き合える健康作りを目指しているということで、高齢者に過度な歩数設定をするよりも生活の中で無理なくできる運動習慣を唱えていらっしゃるところがいいなと思いました。
わたしも50代ですが、絶対に故障しないようにやりすぎないように気を付けています。
補足ですが、運動の量と質が「病気の予防」とどう関係するかを示しています。
(2)1日5000歩+中強度の運動7.5分以上→認知症、心疾患、脳卒中を予防
(3)1日7000歩+中強度の運動15分以上→がん、動脈硬化、骨粗鬆症を予防
(4)1日8000歩+中強度の運動20分以上→高血圧症、糖尿病を予防
ちょうど上の記事で山佐時計計器を調べていたら分かりやすい表を見つけました。青柳博士とコラボしていますね。
高齢者ではなく、肥満やメタボリックシンドロームの予防をしたい場合は8000歩~10000歩目指すとよいということになります。
筋トレとの組み合わせ
高齢者まではもう少しありますがフレイル予防のためにも、筋トレで体や動ける体、疲れない体、元気な脳を作りたいと思っています。
有酸素運動と筋トレを組み合わせると体脂肪率を減らせる
『超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』では、自分がどんな体を理想としているかによって、有酸素運動と筋トレの組み合わせを選ぶとよいということでした。
チェックリスト
- 単純に体重減少を目的としているのであれば、有酸素運動及び有酸素運動&筋トレの組み合わせが効果的
- 体脂肪率や体脂肪量を減らしつつ、ウエストを引き締めたいのであれば有酸素運動と筋トレの組み合わせが効果的
- 筋肥大が目的であれば、筋トレ単体で行うのが効果的
- 筋肉をつけずに体重を落としたい、という人には有酸素運動が効果的
こちらの表がわかりやすいです。
「脳を鍛えるには運動しかない」
『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方』では
週に6日なんらかの有酸素運動を45分から1時間するというのが理想。そのうち4日間は中強度で長めに、あとの2日間は高強度で短めにする。高強度の運動をするには筋力トレーニングを含んだ方がいいだろう
と推奨しています。ちなみに最大心拍数と強度の計算は以下の通りです。
最大心拍数=220-年齢
低強度=最大心拍数の55~65%、中強度=最大心拍数の65~75%、高強度=最大心拍数の75~90%
男女や年齢でも差がありますが、わたしの場合は、スマートウォッチの画面で確かめると、普通の速さで歩くと低強度、早歩きやジョギングだと中強度、タバタやHIITなどすると高強度の心拍数になります。
結局どの程度が適当?
そのうち20分を中高強度の早歩きもしくは心拍数のあがるHIITやボクササイズ
筋トレ週2~3回 程度でいいかなと思っています。
ただ、一番大事なのが自分の体調を見ながら楽しんで運動することを基本とします。